カウンセリング

甘えることの大切さ

こんにちは。tomoです。

人間として基本的に大事なことは、目に見えないところにあるのだと、最近ますます思います。

お金や持っているものでなく、もっと目に見えない、心の深くにあるもの。それが内面の豊かさにつながると思います。内面が豊かになると何がなくても幸せなんですね。

そのようなものの中で、今日は「甘えること」について考えたいと思います。

「甘える」ことは、普通、産まれて新生児から幼少期にかけて私たちが親との関係を中心に体験的に学ぶことです。これは基本的な安心感や信頼、人との絆を作る能力につながる、必要不可欠なものです。

また、甘えることは、本来愛情を求める生き物である人間の「本当の自分」を見せること、そしてそれを受けとめられることになります。自分の身体、感情などの必要を素直に伝え、人に満たしてもらうことです。またそれによって、大きな安心感の中でエネルギーを受け、また活動できる力を得ることができます。

甘えるときに見せる「本当の自分」というものは、子どもの本能やエネルギー、創造力、人を頼る力、絆を作る力など、生きる力がたっぷり詰まっています。その自分の全部を明け渡し、受けとめられる。そのエネルギーの交換はとても大きなものです。その繰り返しと、それができる安心感の中で「愛する」ということを人間は覚えていきます。

またそれを体験したら、自分の存在が「そのままでいい」と肯定され、「いてもいいんだ」と自分の価値を感じられるようになります。

そう、甘えると自然に人を愛することができるようになっていくのです。

これまでそのような体験はありますか?

たいていは、残念ながら、「甘えるんじゃない!」などと拒絶され、子ども心に恐怖を覚え、「これ以上出してはいけないんだ」と体験的に覚えるようになっていく人が多いのではないかなと思います。

特にこの日本では、我慢が美徳とされている文化も相まって、本当の意味で甘えることができずに大人になっていく人が非常に多いように思います。

「甘え」という言葉は、「甘やかす」「甘ったれてる」など、日本ではネガティブに発せられることが多いのは、非常に残念なことです。

十分甘えられなかった人は、素直な子どもの自分の要求を心にしまい込み、人に頼ることをやめ、一人で「頑張り路線」を歩むようになってしまいます。

認められるために良い子になって、何かに掻き立てられて努力する、「終わりのない努力ループ」の人生となっていきます。

自分がありのままで生きていることに自信を持つことができなくなります。しまいには、頑張っていない人を心で裁くようになってしまったりもするかもしれません。

(これは全部私自身が体験してきたことです。はい、とっても疲れました…。けど踏ん張って乗り越えちゃったりして。疲れて→頑張るの繰り返しでした。しかし、カウンセリングを通してこれらの心の傷を癒すことは大人になっても十分可能です!)

甘えられなかった辛い環境は、頑張る人を生みます。頑張る人は人を信頼できず、自己中心となります。でも、これもそれも、「甘えれない環境」にあったからなんですね。自分を責める必要はありません。その自分を優しく受け止め、癒しを受け取っていくことが重要です。

異性に甘えられない人、人に弱さを見せられない人、燃え尽き症候群の人、孤独を抱えている人、子どもや家族を愛せない人・・・

甘えることを自分に許してみてください。甘えることを許されなかった自分自身を見つめてみてください。

甘えることは、愛されることです。そして愛された人は、人を愛することができます。人に優しくなることができます。甘えていいんです。愛されていいんです。

私たちは愛を受け与えるために生きているのですから。

無条件で愛されている存在であることを、死ぬまで私たちは受け取っていくのだと思います。

甘えるといっても、誰でもいいわけではありません。相手がそれを受けとめることができなければ、かえって傷つくことにもなり危険にもなりかねません。

カウンセリングという安心・安全な環境で、甘えられなかった「自分の中の子ども」の欲求を満たしていくことができます。そして甘えること、人に頼ること、絆を結ぶことを、大人になってからでも体験し、学ぶことができます。

tomo