大学院

アメリカの大学院で学ぼうと思った理由

tatsuです。大学院春学期の授業が全て終わりました。今は成績を待ち、9月から始まる修士論文や実習に向けての準備をしています。この2年間、仕事をしながらの勉強は大変でしたが乗り越えることができました。次は学んだことを実践していく段階に入ります。今は実習に対する不安が半分、新しいことにチャレンジできる喜びが半分という感じです。

さて、今日は大学院について少し書いてみようと思いました。

約3年前、僕たち夫婦は臨床心理を学ぶために大学院にいく決意をしました。臨床心理を学べる大学院はたくさんあります。僕は当時社会人入学できる国内の大学院を探していたのですが、そんな中でtomoがアメリカの大学院日本校を見つけました。

色々と調べてみるとアメリカの大学院はとても実践的なカリキュラムで授業が面白そうでした。しかし、国内の大学院と比べると学費が数倍高く、アメリカの大学院では修了しても臨床心理士の受験資格が与えられないという問題があります(大学院修了後に2年間の実務経験を経て臨床心理士の受験資格を得ることは可能です)。そしてアメリカの大学院修士課程を修了するには最短で3年かかります(日本の臨床心理大学院は2年で修了できます)。

日本でカウンセラーやセラピストとして働くのであれば、国内の臨床心理士指定大学院に入って最短の2年で修了し、臨床心理士の資格を得るのが近道のようにも感じました。

しかし、僕たちは国内の大学院ではなく、アメリカの大学院を選びました。

なぜあえてアメリカの大学院で学ぶ決意をしたかというと、アメリカの大学院の方がカウンセリングの実践力が身につくと思ったからです。これが一番の理由です。

心理学はアメリカが世界の中で最先端だということは以前から知っていました。アメリカの大学院の方が心理学に関しては情報量が多く、研究が進んでいて最先端の治療を学べると思います。心理学に関する論文は圧倒的に英語が多いのも事実です。

僕が入学した大学院の教授は全員現役セラピストです。理論や心理検査の授業、臨床実習のスーパーバイズは全て経験を積んだセラピストが担当します。これは日本の大学院にはあまり見られません。実際に授業を受けてみると、現役セラピストならではのリアルな話が聞けます。

授業はとても実践的です。初回のカウンセリングでクライアントに渡す同意書(インフォームドコンセント)の書き方、セラピーを行う上での倫理的なことについても学びますし、何より大学院生は大学院を修了するためにカウンセリングを特定の回数受けることが義務付けられています。日本の大学院ではカウンセリングを受けることを必修にしているところはあまりないと思います。学びを進めていくと、カウンセラー自身がカウンセリングを受けることがとても大切なことだと気づきます。良いカウンセラーは自分のことをよく理解し、未解決の問題に取り組んでいます。じっくり自分自身と向き合い、自分を知ることで人のことを理解できるようになっていきます。カウンセリングを受けることがカウンセリングを学ぶ一番の方法だと言っても過言ではないと思います。

アメリカの大学院は実践的ですごくしっかりしているんですよね。カウンセラーにとって大切なことをきちんと教えてくれます。

大学院のパンフレットを取り寄せて比較し、国内外含めて色んな大学院を検討した結果、僕たちはアメリカの大学院で学ぶに至りました。アメリカの大学院といっても日本校なので渡米する必要はありません。ただ、カリキュラムはアメリカのものに沿っているので厳しいです。実際にこの2年間授業を受け、この選択に間違いはなかったと感じています。大学院修了後、Master of Arts in Clinical Psychology(米国臨床心理学修士号)という学位を僕たちは与えられますが、日本でこの学位がどこまで通用するかわかりません。でも、学位や資格よりも、カウンセラーになるために必要な要素を身につけることが一番大切ですし、何より僕が学びたいことでした。この選択は間違いではなかったと思っています。

tatsu