tatsuです。
大学院のスクーリングを全て終え、しばらくのんびりとした時間を過ごしました。そして今はひたすら修士論文に取り組んでいます。それだけでは心が参ってしまうのと運動不足だということもあってキックボクシングを始めました。数年前にボクシングをやっていたのですが大学院の課題に追われてやめしまいました。本当は続けたかったんですよね・・・。勉強が落ち着いたこのタイミングで、なんと近所に新しいジムを発見!この夏からキックボクシングのジムに通い始めました。
以前「ボクシングと鬱」という記事を書きましたが、やはり格闘技は心にいいと感じています。上手くパンチが打てたり、蹴ることができるようになってくると自分はいざというときに戦えると自信を持つことができ、自己肯定感が高まるのではないかと思っています。自己肯定感が高まると何かアクシデントにあっても冷静さを保てると思います。ただし、ちょっと練習しただけで強くなったと勘違いしてしまうのは危険ですね・・・。そこは気をつけなければならないところだと思っています。
でも、心にはいいと思うので興味がある人は是非やってみてください!キックボクシングは本当にオススメです^^運動量が多いのでジムに行ったあとはくたくたになりますけどね(笑)
さて、僕の修士論文のテーマは「インターネットゲーム障害の予防教育について」です。教員をやっているというのもあり、学校でもそのまま使えそうなテーマにすることにしました。インターネットゲーム障害(Internet gaming disorder)もしくはゲーム障害(gaming disorder)は全世界で深刻な問題となっていて、つい最近WHOが疾病として認定しました。
この疾病の特徴的な症状は、ゲームをすることに対するコントロールができずにひたすらゲームをやり続けてしまうことです。ゲームが優先順位の1番になってしまうため、学校や仕事、大切な約束よりもゲームを優先させてしまいます。
依存症というとアルコール依存症が歴史の長い疾病になりますが、アルコール依存症もほどほどにアルコールが飲めない状態の人、アルコールを飲むことに対するコントロールができない人のことを言います。一度飲んでしまうとぶっ倒れるまで飲み続けるのがアルコール依存症。インターネットゲーム障害も一度やり始めるとなかなか止まりません。アルコールやギャンブル、薬物と同じ依存症の1つと考えられています。
インターネットゲームに依存してしまうのには様々な理由が考えられます。脳の問題(衝動性をコントロールする脳の部分がもともと小さい、もしくは何らかの理由で萎縮している)、心理的な問題(不安、孤独、鬱、ストレス、自尊感情の低さなど)、社会的問題(頼れる人がいない、家族の関係性など)が原因として様々な論文で報告されています。
インターネットゲーム障害の難しいところは、インターネットにつながるデバイス(スマホ・タブレットなど)があれば簡単にゲームができてしまうこと、そしてインターネットは生活から切り離せないことにあります。アルコールや薬物、ギャンブルは努力で生活から完全に切り離すことができます。しかしインターネットを使わない学校や職場はかなり少なく、生活から切り離しにくいです。これが治療を難しくしています。
インターネットゲーム障害に関してはまだ研究が始まったばかりで治療には不十分な点が多いです。現在では限られた病院でしか治療を受けることができません。なので、大切なのはインターネットゲーム障害にならないこと、ならないように予防をすることだと思います。
そこで、色々と考えてもらいたいことがあります。
子どもにスマホを持たせることに対して、みなさんはどのように考えますか?
僕が勤務している学校ではスマホを持っていない生徒を探す方が難しいです。中学生の段階でほぼ全員がスマホを持っています。
2018年のデータですが、小学生の45%くらいがスマホを所有していると調査報告しています。高学年になればなるほど所有率があがり、5年生ではだいたい半分くらいがスマホを所有しているというデータがあります。
子どもにスマホを持たせることについて特に疑問を持たず、むしろ良いことだと思って持たせている人も多いかもしれません。スマホがあればLINE等でコミュニケーションがとれますし、現代は情報化社会なのでデバイスの操作に慣れたり、情報を引き出して処理する力を身につける必要があるからです。
しかし、特にルールを設定せずに子どもにスマホを買い与えるのは危険だと僕は思っています。
その理由は、子どもはまだ前頭葉(脳の中でも理性を司る部分)が発達しておらず、どうしても自分の感情面や本能を優先してしまうからです。子どもは「ゲームよりも前に宿題をやらなきゃ!(理性の部分)」よりも「今すぐゲームをしたい!(本能)」を優先してしまいやすいかもしれません。前頭葉がある程度発達するまでは、大人が子どものスマホ使用を管理する必要があると僕は思っています。特にADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもは衝動的にスマホを使用してしまう傾向があるため、インターネットゲーム障害になりやすいというデータもあります。スマホを子どもに与える前にちゃんと考える必要があります。
では、どのようなルールを作れば良いのでしょう。
夜11時以降は使用しない、自分の部屋にスマホを持ち込まない、充電器はリビングに置く、パスワードは親に必ず知らせる、SNSを利用する場合は親も友達リストに必ず入れるなど、いろんな対策をとることができます。一度家庭内で考えてみても良いかもしれません。
個人的には「スマホ18の約束」を参考にすると良いと思っています。検索すれば出てくるので、ぜひご覧になってください。
大事なのはスマホが依存の対象にならないことです。そのためにはその根本的な問題を解決する必要があります。人は心に空いた穴を埋めるために依存していきます。その穴は例えば孤独感であったり、不安だったり、ストレスだったりします。
心が痛いとき、人は何かしらの対処をします。依存はその対処法の1つなのです。
普段から子どもとコミュニケーションをとること。子どもにサポートがあることを感じてもらうこと。
あとは、適切な教育が必要なのかなと思います。スマホを利用することでどんな危険があるか、そのデメリットもきちんと伝えることです。例えば、インターネットゲーム障害の人はそうでない人と比較して脳が萎縮しているという研究結果があります。正しい知識を持った上でルールを作り、子どもとちゃんと話し合うことで効果的に予防することができると思います。
これから半年間かけて修論を書いていきます。またこのブログでもインターネットゲーム障害について書いていけたらなと思っています。
tatsu